早寝早起きというけれど


■早寝早起きさせなさい?

「子供の健康のために早寝早起きをさせましょう!」
「早寝早起き習慣のない子は早寝早起きの子にくらべて・・・がよくない」
「朝ご飯を食べると成績アップ!」

などなど、早起きの利点を掲げる主張をよく見かけます。先日話題になっていた親学などでも矢鱈と「早起き」推しをしてますね。
どらねこも、子供には早寝早起きをして欲しいし、自分もそうした方が良いのかなと思います。しかし、昔に比べ子供が夜更かししている、それを容認する親に問題がある!という論調とは距離を置きたいと思っております。勿論、夜中に繁華街へ行き、一緒に子供を連れ回して遊んでいるというようなのは困りものですが。


■何が気になる?
そうした主張の多くには、もっともらしい説明がつけられており、妥当と思われるものもあるのですが、睡眠時間が十分にとれない傾向をもたらしている背景に言及し、それこそが問題であると主張しているものがほとんど無い事が気になるのです。
ようするに、「こんなに素晴らしいのに実行しないのは良くない。親の怠慢だ!」というように聞こえるものばかりなのです。少しイヤミな謂い方をすれば、「自分たちの子供の頃は夜更かしなどしなかった。現代の子供の問題には寝不足に由来するものが多いのでは無いか?」というものでしょう。
このような主張を見る度に思うのは、現代の子供に早寝早起きをさせる事が目的なんだろうと謂う事です。つまり、理由は後付けという事。自分たちがそうだったのだからアンタもそうしろ!・・・それじゃ格好つきませんものね。

■待ってるのかも?
昔に比べると子供が夜更かし傾向である、というのは確かにそうでしょう。しかし、それには様々な要因があるんです。塾や習い事が忙しかったり、ちょっと面白い番組を見過ぎてしまったり、ゲームをやったり・・・。でも、中にはこんな子も居ると思うんです。いや、多いかも知れません。
多くの子供はお父さん、お母さんと一緒に食事をしたいと思います。夫婦共働きで二人の帰りが遅ければ夕ご飯が遅くなることがあるでしょう。「孤食」なんてコトバで、そんなのは良くない!という「食育」がなされていれば尚更ですね。また、どちらかの帰りが非常に遅ければどうでしょう?早寝して欲しいから帰ってくる前に寝かしつける事も有ると思いますが、予定外に遅くなった場合であれば、お父さん(お母さん)をもうちょっと待ってる!と、子供がまっているなんてこともあるでしょう。そんな風に遅くまで起きていた子をしかれますか?それより、毎日のように親の帰りが遅い家であれば、平日の子供との遣り取りは無くても良いと謂うのでしょうか?なんかそれも違うと思うんですよね。


■本当に考えるのならば
本当に子供の事を考えて早寝早起きを提言するのならば、親が残業しなくても良い仕組み作りを訴えるべきでしょうね。子供と一緒に夕食を作るとか親子で過ごす時間をもてるよう、有給休暇や時間給を採りやすい状況を整える事も早寝早起きの実現に貢献するんじゃないでしょうか。
親と子供が一緒に夕食を採る事を当たり前だというのならば、それが当たり前にできるような態勢づくりが必要だと謂うことです。そう謂う主張無しの早起きのススメなどはどらねこはまっぴらゴメンだと謂う事です。