小学校に入学しました

今年の春、どら息子1号は小学生になりました。色々と悩んだ結果、特別支援学級に通うことを決め、今のところ楽しそうに過ごすことが出来ております。学校からの連絡帳には、「思っていたよりも身の回りの事ができるし意外と器用でびっくりしました」と書かれていて、ちょっと嬉しかったりしました。このまま楽しく学校生活を送って欲しいなぁ、と親としては思っておりますが、色々とあるのだろうなぁと心配なところもありますが、こうしてそれなりに落ち着いた気持ちで入学を迎えることが出来たのも、先日までお世話になっていた保育園のお陰だと思っております。


■マクロビ保育園
どらねこの謂う保育園とは、過去何度もブログで採り上げてきた、肉類、白米、砂糖やスナック菓子ダメのマクロビ的食事に既製品のオモチャやテレビもダメの自然いっぱい身体をつかう遊び大好き、予防接種有害論を正しいと思って居るトンデモ要素満載の保育園の事です。過去のいきさつやエピソードなどについては下記を参照のこと。

トンデモ保育園のおみやげ
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20091021/1256126955
妥当性に乏しいと考える代替療法を利用せずに済んでいるワケ(前編)
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20100725/1280035664
妥当性に乏しいと考える代替療法を利用せずに済んでいるワケ(中編)
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20100729/1280378345
妥当性に乏しいと考える代替療法を利用せずに済んでいるワケ(後編)
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20100811/1281527639



■保育園を振り返る
紙おむつは石油製品で運鱈感鱈でダメ、CDは波長がどうたらこうたら、テレビは・・・などなどの発言でアタマを痛くし、全く肉や魚が献立にない給食にクラクラし、万能なお手当法に度肝を抜かれたどらねこでしたが、息子が年長になった頃には大概の事には驚かないようになっておりました。
それよりも、最初の頃は行きたくないと駄々をこねる毎日であったのに、迎えに行っても「今○○やっているから、まっていて!」と課題をこなすのに夢中になっている姿を見られるようになり、嬉しいことが増えて行くに従い、この保育園にして良かったなぁとも思えるようになってきておりました。そして、卒園式を迎えた時、本当にこの保育園を選んで良かったと思いました。


■まさかできるとは
卒園式でも着飾ったりしないのがこの保育園です。今までの成果を発表する場であり、ここまで出来るようになったと最初から最後まで身体を動かし続けます。この卒園式でなんとどら息子も4段の跳び箱を跳びました。1週間前は全然飛べなかったと聞いていたのに・・・。また、竹馬も乗りこなせるようになったとの事で驚きっぱなしの1日でした。
ウチの息子には卒園してみんなに会えなくなることに寂しさを感じる事は難しい様子でしたが、園では多くの子とそれなりに仲良く過ごし、プライベートでも一緒に遊ぶような仲良しの子も数人できており、この環境とお別れすることに親の方が寂しさを持ちました。まさかこんな風に思うようになるとは・・・と自分でも思っております。


■もくろみ以上
どらねこは当初、言語的コミュニケーションを非常に苦手とする息子でも、他者と関わるのに負担の少ない環境を提供したいと考え、それには「自然ばかりの環境で身体を使った遊び重視」の保育園が最適であると目論んでりました。保育園は自分の想定よりもトンデモ無い部分もありましたが、結果的にも当初の目論み以上に本人に適していたように思います。善し悪しはともかく、文字を教えないようにという方針は、教えても覚えられなかっただろう息子にはコミュニケーションの面で助かったでしょうし、テレビ番組を見せないでと謂う方針は、文脈を共有することが難しい息子にとっては友達と共有する話題が比較的園内で完結することで負担が少なかったろうと思います。コトバのコミュニケーションよりも動物のお世話や掃除、身体を酷使する遊びなどを重視している事が息子にとっては非常に良い環境であったと思うのです。自分の周囲にワケが分からない文字や言葉が飛び交っていては、どうして良いかわかりませんし、楽しくないでしょうから。参加して愉しんで・・・機会を持つことの大切さを痛感しました。


■受け入れる態勢
発達になんらかの障害を持っている子供であると、入園を断られたり、難しい顔をされたりと謂う事が実際にあるようです。息子の通った保育園は、「え?」というぐらいあっけなくなんでもないぐらい簡単に受け入れてくれました。逆にうちに通えば「自閉症なんて治りますよ」みたいな問題発言をするぐらいです。この発言自体は不適切なものですが、何も後ろめたい気持ちとか持たないで安心して預けて貰ってイイよと謂っていただく事は保護者からしてみれば非常にありがたいコトバでした。こうした「安心してイイよと謂うコトバ」は根拠の無い代替療法を信用してしまうような例の入り口にありがちなものなのですが、社会の援助が十分に行き渡っていなかったり不安を持つ親の気持ちの向かう場所が存在しない事なども関係しているのだろうな、と思います。
園での日常でも息子の発達の問題について特別視される事はほとんど無く、親も肩身の狭い思いをすることは少なく、非常に助かったというのが今の感想です。


■大事な事は
玄米菜食だ無農薬だ、自然治癒力だと謂うのは実はおまけにすぎないのだという事なんですね。周囲の方が偏見無く接すること、社会的にも対象に適した援助を行う場所を提供することで、多くの不安を持つ子供や親が変な場所に迷い込んでしまう事を防ぐ事ができるんだと思います。こうした援助(知識の普及も含めた)が現状ではまだ足りないのだと思います。暖かく受け入れてくれる数少ない場所*1に、根拠の無い健康法や代替療法が口を開けて待っている状況(しかも現場レベルでは善意)と謂うのは非常に哀しいことだと思います。


■それはそれ
そんなわけで、保育園には大変感謝をしておりますが、小さな子供に玄米菜食を提供することは望ましく有りませんし、予防接種を否定することは論外ですし、ホメオパシーを奨めるポスターを貼るのも問題です。どらねこはそれはソレこれはコレとして、それら言説を今後も必要に応じて批判して参ります。自然に親しむ育児は根拠の無い代替療法とセットで有る必要は無いのですから。


■おわりに
どらねこ日誌から通算して4年、どら息子の保育園生活も4年と両者の時期はほぼ重なっていたりします。改めて考えると、ブログと園との関わりがどらねこの生活や考え方に大きな影響を与えていたんだなぁと実感をします。
最後になりますが、読者の皆様の応援(?)もどらねこの大きな支えとなりました。皆様の支えがなければブログも続けていなかったと思いますし、もっと攻撃的などらねこになっていたと思います。どうもありがとうございました。(ブログはもう少し続けようと思います)

*1:そこで根拠の無い代替療法や考え方に填まり、非常な労力を費やす事になっては本末転倒です。適した対応で無理の無い範囲の労力を!!と、どらねこは個人的に思っております