そりゃあ活躍して欲しいけど

前にも書いたかも知れませんが、どらねこは陸上競技ファンです。特に長距離走が好きなので、この時期になると毎年燃えてくるのです。今回は単なる陸上競技ファンとして好き勝手に書こうと思いますので、興味のない方はどうぞスルーして下さい。

■最近は・・・
どらねこは長距離走が大好物で、トラックの5000m、10000mを見るのも好きです。好きなのですが、日本のレベルは世界に太刀打ちできるモノではありませんし、テレビ放送も極端に少ないので楽しむ機会が少ないのが残念です。テレビで楽しむとなると必然的に駅伝やマラソンばかりになってしまいます。駅伝の話もしたいところですが、マラソンについて色々と思うところを書いてみます。
ここ数年、テレビでマラソンの話題になると毎回のように語られるのが、『日本のマラソンは衰退した』、『昔は強い選手がいた』、『スピード化に対応できていない』みたいな話です。あと、世代交代出来ていない・・・みたいなヤツ。毎回似たような話がでるのでうんざり気味です。ヤレヤレ・・・と思ってしまいます。
確かに昔の強い選手は安定感があったような印象を持ちます。大きなレースで優勝をしていたようにも思います。主に1980年前後に活躍した選手をさして、ソレに比べて今の選手は・・・というモノが多いような気がします。

■低迷?
確かに、ここ数年は低迷しているような印象を持ちます。数字的にもここ3年ぐらいの2時間10分切りランナーの数は少ないと謂えるでしょう。しかし、これは日本の長距離界が低迷しているという証左なのでしょうか。
勿論、本当のところはよく分かりませんが、過去の傾向を見ると記録が低迷する時期と好記録が続出する時期が10年未満のサイクルで廻っているようにも見えるのですね。例えば、昔は強かった・・・という印象の強い1980年から1986年ぐらいの時期は好記録を出す選手が続きました。しかし、その後少しずつ記録を出す選手は少なくなり、1990年代前半では日本記録*1に迫るようなタイムは誕生せず、2時間10分を切るランナーの出ない年もありました。
しかし、1990年代も後半に入るとまとまって好記録が生まれるようになり、日本記録も1999年、2000年、2002年と次々と更新されるようになりました。その間、世界選手権でも2つの銅メダルを獲得しています。ふむふむ、それじゃあこの時期の選手はやっぱりつよかったの?でも、1980年代の選手に比べて印象が薄いんですけど・・・そんな感想を持つ方はやっぱり多いようです。どらねこの周りにもそんな意見は多いのですね。じゃあ、何が違うのでしょうか。一番大きな違いは国際レースで優勝や上位入賞する選手が少なくなったからだと思います。

■優勝できない
どうして優勝することが出来なくなってきたのでしょうか。それは天性の素質を持つアフリカ出身*2のランナーの台頭だと思います。1980年代には数えるほどであったアフリカ出身のランナーが練習環境が整ったこと、外国へ留学するなどの道筋ができた事で国際レースへの出場機会が激増したことによります。こうして、国際大会の優勝者はケニアエチオピア出身ランナーが席巻するようになりました。
しかし、2000年前後ではまだまだ日本人ランナーにもつけいる隙がありました。それはオリンピックや世界陸上のルールにより一つの国から出場できる選手が限られていることによるものです。世界の50傑に10人ぐらいが入るような国でも全員が出場することは出来ません。ところが最近では、母国を離れて中東の国で国籍を取得し、オリンピックや世界大会を目指すケニア出身ランナーが目立ちます。これによってオリンピックや世界陸上で上位に入ることはますます難しくなってきているように思います。その割にはよくやっていたんじゃないの?日本人選手は・・・というのがどらねこの感想です。

■ちょっと哀しいけど悪いことじゃない
所謂愛国心には乏しいけどやっぱり見知った選手が活躍するのは嬉しいです。だから大きな大会で日本人選手が活躍できないのはやっぱり寂しいです。でも、選手層の薄い大会で勝つより強豪と渡り合っての優勝だったらもっと嬉しいですよね?
現在の状況は才能を持つヒトが昔よりも競技に打ち込める環境が整ったことに拠ると思うのです。それって喜ばしいことなんじゃないですか?
最近はちょっと低迷しているけど、日本の女子マラソンは世界のトップレベルに近いところにありました。オリンピックで金メダルも続けて獲得しているぐらいです。でも、男子に比べると女子マラソン界のアフリカ出身選手の割合はソレほどでもないんですね。それはアフリカの多くの国で女性は不当に差別されているというところがあるのです。女の子が競技に打ち込む環境はなかなか得られないのですね。もし、日本女子選手が優勝できない事になるのだとしても、それが陸上競技を楽しみたい、強くなりたいと願ったヒトみんなが競技に打ち込める環境を得られた結果だとしたらそれはとっても良いことなんだろうなぁ、と思うんですよね。

高岡選手の成功以降、トラックに打ち込んでからマラソンへ移行を、と考えている選手も増えてきていると思います。彼らがこれから数年後大活躍することを期待して、これからのシーズンを楽しもうと思っております。
よく分からない終わり方になってしまったけど、そんな感じです。

*1:尤もこの記録がうまれた当時の北京コースは距離不足の疑惑がある。中山が広島で出した2時間8分15秒が実質の日本記録であったと考える者もいる。

*2:とはいえ、ほとんどがケニアエチオピア出身ランナーと謂えるような状況ではあるけれど