昆布と授乳

通常、食品からの栄養素過剰摂取はあまり問題視されないのだけど、状況によっては注意が必要な事もあると思う。
ヨウ素は世界的に見ると欠乏症が問題となるミネラルの一つで、不足すると甲状腺腫を引き起こし、甲状腺機能を低下若しくは亢進させる虞がある。
幸い日本ではヨウ素欠乏は比較的まれだが、それは海藻等海産物を食べる習慣を持つからである。特に、昆布やひじきには豊富に含まれており、毎食食べているヒトであれば、食事摂取基準に記された上限量に達してしまうほどだ。
それでも、この上限量というのはほとんどすべてのヒトが過剰症の心配なく摂取できる上限量なので、これを上回ったからといってさほど大きな問題の無い場合が多いのだが、授乳婦の方についてはヨウ素の過剰摂取には留意してもらいたいところ。
新生児というのは、ヨウ素の過不足に敏感で、母乳からのヨウ素摂取が多すぎることで甲状腺機能になんらかの影響が現れる事が知られている。勿論、不足も同様に心配だ。
マクロビ食を実践している方は海藻からミネラル補給を期待して食事を組み立てる場合が多いと思うが、カルシウム豊富な良い母乳をと考えるあまり昆布やひじきを多量に食べたりしていないだろうか。
カルシウムが少し不足する事よりも赤ちゃんにとっては危険な事だ、周りにそんなヒトが居たら反発を招かないよう、こそっと教えてあげて欲しい。