きせきのりんご

今回は何となく思っている事を書いてみるだけの記事です。たいしたはなしじゃあないです。
無農薬で育てた腐らないリンゴが話題にのぼることがたまにあります。
腐らないリンゴっていったいなんでしょうね。そもそも、腐らないことが良い事なのかどうかも疑問ですし、腐らないって本当だろうか?と思う事があります。マーガリンは腐らないから怖いみたいな事を述べている文章を見た事があるのですが、その理屈でいくと危険な食べ物のようにも見えますよね。なんだか面白いですね。
中には、腐らないリンゴをつかった醸造酢なんて商品もあるようで、じゃあどうやって作ったんだよソレ?とツッコミが入っているのを見た事もあります。基本的に腐敗も発酵もヒトにとって有用か否かという判断で分けられているだけですからね。


■そもそも
というわけで、お酢に商品化可能なわけですから、「本当に腐らないわけではない」と謂って良いでしょう。なので、腐るが意味するところ*1は、他のリンゴに比べて腐りにくい、若しくは長持ちする、変色しにくいと謂ったことが考えられるでしょう。
では、腐りにくいリンゴってどういうリンゴでしょうか?
どらねこが思いつく腐りにくいリンゴは、小さいリンゴや水分の少ないリンゴでしょうか・・・、というよりリンゴです。
何を謂っているのだ?アンタあほか?と謂われそうですが、リンゴは鮮度が悪くなりにくい長期保存ができる果物なのです。
ほら、基本的にほとんどが国産なのに、通年でまわっているでしょ?腐りにくく保存しやすいからなんですよ。勿論、CA貯蔵庫という、空気の組成を変えて湿度と温度を調整した専用の倉庫に入れて鮮度を保たせているからなのですが、それでも秋に収穫したものを通年流通させられるというのはたいしたものじゃあないですか。
リンゴはそれ自体が腐りにくい果物なのです。


■我が家にもあった腐りにくいリンゴところで、我が家にもそんなリンゴがありました。勿論、奇跡でもなんでもなく、親戚がつくったものを大量にいただいた慣行栽培のちょっと不揃いなリンゴです。
昨秋収穫し、涼しい場所に放置していただけのリンゴですが、収穫後半年でもこんな感じです。

見た目は新鮮なリンゴとほとんど変わりませんが、放置していたので食べるとがっかりする味です。
さて、その中から小さめのリンゴを取り出し、アップで見てみましょう。

皮の表面が若干変色しシワシワしてきております。腐ってはいないのですが、小さいリンゴほど水分が飛びやすく、そのまま放置すると収縮をつづけ、最期には乾涸らびてしまうことが多いです。
ところで、この状態のリンゴの皮を触るとべとべとしている事があるのですが、リンゴは古くなるとワックスと呼ばれるアブラが表面に浮いてきたものによります。このワックスはリンゴ表面を保護し、水分を保持したり、カビなどの腐敗から守る働きがあると考えられます。リンゴ農家がテカテカさせるためにぬっているわけではありません。
つづいて、大きめのリンゴを見てみましょう。

表面にシワもなく、水分がある程度保持されております。
こうしたリンゴが地面に落ちて傷んだあと、暖かい場所におけばそこから腐る事が予想されますが、普通のリンゴを放置していても傷さえなければそう簡単に腐らないことがよく分かると思います。


■結論
基本的にリンゴは腐りにくい果物です。

*1:某腐らない林檎本には切ったあと変色しにくいみたいな事も書かれていたようなのですが、それは腐るとか腐らないとは別の話で、ポリフェノール類がポリフェノールオキシダーゼという酵素で酸化されて変色する反応です。それが起こらないと謂う事は幾つかの可能性がありますが、ポリフェノールオキシダーゼがあまり存在しないか、ポリフェノール自体が少ないか何てこともありそうです。もしポリフェノール類が少ないのであれば、今人気の抗酸化成分が少ないと謂うわけですから、マイナス評価になりそうなものですが、ソレで良いのでしょうか・・・