えほん
(この記事は以前運営していたブログどらねこ日誌に2009年03月14日掲載したものを加筆・修正したものです)
■我が家にあるえほん
「ぴょんぴょんぴょん」 さく メラニー・ウォルシュ 発行 主婦の友社
フラップをめくると、どうぶつが得意技を披露してくれるという簡単な仕掛け絵本です。うちのどら息子はめくるたびに大喜びで、指を立ててもう一度ポーズをとってせがんできます。またかぁ、とウンザリですが笑顔に騙されて最初のページに戻ります*1。
ところで、この素晴らしい絵本には問題のある描写が一つあります。絵本の世界で肉食獣が草食獣と仲良くしていてもさほど気にならないどらねこですが、これはちょっと許せません。
フラミンゴが魚食ってるよ・・・
皆様ご存じの通り、フラミンゴは水中の藍藻やプランクトンなどをくちばしの特殊なフィルターを使って漉し取り、食事をしております。勿論魚は食べません。
【問題点1】
動物園に行ったとき、魚を突き出して「ホレ食べろ」なんてやられたら、フラミンゴだって良い迷惑*2というモノです。ちっちゃい子どもの行為を無にしてはいけないと考え、むりに食べてくれるかも*3知れませんがそんな事になったら大変です。
【問題点2】
間違った知識を訂正されないまま大人になってしまっては大変です。
例えば入社試験を受けたとしましょう。
試験問題
『フラミンゴは何を食べて生活しているのか。また、どのような摂食法であるのか。100文字以内で述べよ』
絵本愛読者の答え
『ぱくんとさかなとり』
不合格間違いなしである。
いや、そんな出題する会社自体が存在しないから問題ないですねすみません。
実際のところ、特に深刻な被害はなさそうですので、色々な学習を行っていく中で、これらの知識がアップデートされることを期待したいところです。
■問題はむしろ大人
問題となるのは、読み聞かせをしてあげている、お父さん、お母さんなどが誤った知識を持ってしまう可能性かもしれません。本に書いてある内容をそのまま信じてしまう人が意外と多いことを『水からの伝言』で痛感しておりますからね。また、子どもに比べると知識を修正する機会がこちらの方達の方が少なそうです。
子「お父さん、フラミンゴは魚を食べないんだよ。今日学校で習ったんだ」
父「そんな事はない。メラニー・ウォルシュという有名な人が魚を食べることを証明しているんだ。学校が間違っている」
これはちょっと極端かも・・・
■作家の事情なども考える
フラミンゴは素敵なピンク色のコートを身に纏い、ちょっとおしゃれな鍵状の嘴を持っています。ちっちゃい子を対象とした絵本の題材としてうってつけかもしれません。動物園に行ったことのある子供であれば、その姿を鮮明に記憶している事でしょう。
ですので、この絵本にフラミンゴを登場させたくなる気持ちは十分にわかるのですが、フラミンゴに魚をとらせてしまうのは止めて欲しいところです。じゃあ、現実を反映させてこんなのはどうでしょう。
「ふらみんごは なにがじょうず?」
「かっかっかっ と ぷらんくとんこし〜」
絶対ウケない、意味不明すぎる。
他に特技を持たないのであれば仕方のない気もしますが、そんなことはありません。
「いっぽんあし」とか「みんなで だんすー」
カンタンに思いつきます。
Melanieさん、あえて言わせていただきます。動物の行動を題材とした本を書くのであれば、それが幼児向けであったとしてもキチンと外見だけでなく生態等も肝心なところぐらいは学んでおいて欲しいなぁと思います。