肥満傾向と痩せ傾向のトレンド

子どもの肥満が増えていると謂う誤解がいまだにあるようです。そんな誤解がなるべく少なくなればいいなぁ、と以前からこどもの肥満は増えていないよ、と謂うエントリをどらねこは何回か書いていたりします。

肥満はやっぱり減っていた
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20100226/1267187272

上記のエントリでは、平成13年頃までは肥満傾向児は増加傾向であったが、それ以降は減少傾向が続いていることをデータで示しました。

今回は平成18年から最新の平成22年までの結果と、肥満傾向だけでなく痩身傾向についてもグラフ*1で示してみました。なお、グラフに対するコメントはどらねこの主観ですので、どうぞご了承下さい。

■肥満傾向児の動向
小学生の傾向をグラフから見てみましょう。

肥満傾向児は年々少なくなっている傾向にある事は明らかですね。
次に中高生を見てみましょう。

男子女子ともに明確な減少傾向が続いております。


■痩身傾向の動向
痩身傾向はダイエット問題が指摘される中高生以降をグラフにしてみました。

男子はほぼ横ばいですが、女子は増加傾向にあります。


■特に気になったこと
このデータだけで何かを謂う事は難しいのですが、女子の思春期以降にみられる痩せ傾向には注意したいところだと思います。
特に、痩身傾向児の出現率では、16歳及び17歳女子のグラフの傾きは他の年代より大きいことがわかります。このままこの傾向が続けば、それより下の年代の痩身傾向児の割合とあまり変わらなくなってしまうことでしょう。この年代の女子は皮下脂肪が沈着し大人の体へと変化していきます。皮下脂肪が十分で無い場合、女性ホルモンの分泌に悪い影響を与える事が懸念されます。正常な体の変化について、太ってきたと不要に気にしすぎる傾向がこのデータに現れているのだとすれば、かなり危険な事と思います。
ふっくらしていくのが当然なのに、それに逆行するような危険な減量を煽るような風潮に、大人はもう少し神経質になった方が良いとどらねこは考えます。

*1:文部科学省学校保健統計調査より平成18年〜平成22年度の結果を基にどらねこがグラフを作成したものです。グラフの縦軸は肥満及び痩身児の出現率(実のところは出現割合)で単位は%ですが、最小値及び最大値の表示範囲はグラフ毎に異なりますので、その点にも気をつけてください。