検証!ビタミンC療法

ガラっ!
「どらねこいるぅ〜」
どらねこ「はいはい居ますよ、どうせポニョ子さんでしょう。ミツドン*1さんは此処にはいないよ。最近、音沙汰無いんだよね」
ポニョ子「ミツドンはいいの。今日はネコに用事があって来たのヨ」
どらねこ「何かあったの?」
ポニョ子「う〜ん、アタシはこんな場所に用なんてないのだけど・・・ほら、こっち来なさい!」
コソコソ
ポニョ子「妹のモニョ子よ。ほら、あいさつ」
モニョ子「はじめまして、モニョ子と申します。姉がいつもお世話になっております。本日は、ご相談に乗って下さるそうで、誠にありがとう御座います」
どらねこ「あ、いえいえ、コチラこそデス。お姉さんと違って礼儀正しいのですね・・・って、いつ相談OKなんて返事したのさ」
ポニョ子「モニョ子。このネコ、ロリコンだし相談だといってもあんまし近づかない方が身の為ヨ」
どらねこ「コラ、人の話をきけえい!うん?それはマタタビ!!」
ポニョ子「モニョ子、説明!」
モニョ子「はい、宜しくお願いします。」

モニョ子の友達のお父さんが、悪性腫瘍の外科手術をおこなったそうなのだけど、他の部位にも腫瘍があるそうで、次の手術を受ける前に、化学療法を行うことになったのだとか。化学療法は重篤な副作用があるとテレビで見ていた友人は、もっと良い治療法が無いか探していたところ、かかりつけ医のオカダ先生からとある病院を紹介される。病院へ行く前にネットで情報を集めたところ、当該医院のウェブサイトを発見した。お勧めの治療法は、がん細胞にだけ作用し、副作用も全くないという・・・ホントのところはどうなのだろう。
迷った末に、親友のモニョ子に相談したのでした。


モニョ子「そういった事情なのです」
ポニョ子「南千住研究所*2主任研究員のアタシとしては、そのサイトちょっと怪しいと睨んだのよね。で、どらねこちゃんが先日『代替医療にかかる前に』みたいな記事書いてたのを思い出して、いもうと連れて来たってワケ。トップページ*3プリントアウトしてみたからちょっと見てよ」

どらねこ「うわぁ・・・すごい詰め込み具合だねぇ」
ポニョ子ノーベル賞学者だってー、本当かしら?ウソなんじゃないの?」
どらねこ「これは本当の話だよ。分子矯正医学(オーソモレキュラー療法)を実際に提唱した人なんだ。ノーベル賞はこの分野の研究で受賞したのでは無いみたいだね。ボクの持っている本にはこんな内容の記述があるよ」

栄養学の歴史 講談社刊 Walter Gratzer 著 水上茂樹 訳

p200-201
20世紀の優れた化学者で2度のノーベル賞受賞者(1度は化学賞もう1度は平和賞)である。興味は生物学に向かっていたが理解できないことに60歳になってビタミンCを万能薬と信ずるようになった。
<中略>
年を取るとポーリングは抑制が無くなりビタミンCの大量摂取はがんを予防したり治癒させると主張した。医学界はがん患者達がこれによってビタミンC錠剤を飲んで必要な治療を受けなくなることを心配し激しい衝突が起きた。ポーリング婦人はがんに罹ったがビタミンCで治癒させることができるといって治療を受けさせずに婦人は死亡した。


ポニョ子「ト?」
どらねこ「そう考えた方が良いかもね、下火になっていたけど、最近は息を吹き返して来た印象だねぇ」
モニョ子「少しいいでしょうか・・・提唱者の評判が悪いことがこの医療の信用性を保証しない事と必ずしも等号で結びつかないとおもいますけど」
どらねこ「う〜〜ん、あなた本当にポニョ子さんの妹さん?立ち話もなんだから、奥に入ってよ。一緒に検索しながら検討してみようよ」
ポニョ子(モニョ子、これがヤツの戦法よ、気をつけるのヨ)

次回に続く・・・

*1:韓国旅行へ行って以来、キムチを食べ過ぎて、翌日たいへんな事になっているという噂が有るとか無いとか

*2:最近活動が停滞している食(?)のトンデモ研究所。来年の正月に会合が開かれるらしい

*3:勿論、実在のウェブページでは有りません