電子レンジは危ないの?

【この記事はどらねこ日誌の過去記事再編集です】
■電子レンジが危険だと本にあったけど?
どらねこ日誌の貴重な読者様よりメールを頂きました。食育のお勉強をしていたら、電子レンジの危険性について触れられた本があったそうです。本に書いてあったことは妥当なのでしょうか。 

電子レンジ危険本の主張をまとめると:
①:電子レンジで加熱した後の水を、植物に与えると枯れてしまう。反対に、ヤカンで加熱した後の水だと、枯れない。
②:電子レンジに使われているマイクロウェーブは放射線の一種であり自然界でありえない程度の振動が食品に加わっている。放射能汚染が遺伝子を破壊するようにマイクロウェーブの照射を受けた食物の遺伝子が傷ついている危険性が高い。様々な研究がされていてはっきりした答えは出ていないが、安全だという保証がない。

といったものです。*1

安全だと言う保証はないけど、逆に何も問題ないかもしれませんよね?こんなことが広がっていったら、知った母親たちがノイローゼになっちゃいますよ。離乳食作りで電子レンジを使っている母親は山ほどいるでしょうし「子どもに放射線汚染の食べ物を与えちゃった」とか悩む母親も出てくるでしょうし。

①:マクロビ実践者の方には現代科学(情けない表現)を否定するネタが大好きな方が多く見られます。凄いアンテナですね。あらゆる電波をキャッチできるのでしょう。多分コレが元ネタでしょう。
 

元ネタ
http://www.execonn.com/sf/

コレについてはネット上で話題になりほとんど決着がついていると理解しております。

でっち上げを証明した写真
http://akumania.fc2web.com/2006/denshirengi/photo-anime.html
孫娘が行ったと言っているが実際は・・・

以上はこちらの掲示板(apjさん)のやり取りを参考にさせていただきました。

元ネタのトリックが明らかになっている場合でも、多くの人はトリックだと知らないまま正しい情報だと思い保持し続けることが往々にして見られます。発言者、情報提供者は誤りに気がついた場合には速やかに訂正を行うべきなのです。コレが出来ない人、未必の故意がある人の言うことなどはニセ科学扱いされてもしようがないと思いますね。

②:について
波長の長い順に書くと、電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線ガンマ線の順番になります。
コレを見るとわかっていただけると思うのですが、いわゆる放射線X線ガンマ線)とは正反対の位置(正しい表現では無いのですが)にありますよね。この中で紫外線、X線ガンマ線は強い電離作用を持っています。この強い電離作用が生体に影響を及ぼすことで危険とされているのです。
X線ガンマ線は電離放射線と区別されることもあります。可視光線、赤外線、もちろん電波には人体に影響を与えるような電離作用が無く、彼らの言う理論がまったくの根拠のない話だとわかってもらえるでしょう。
もし彼らの定義で放射線汚染を考えると大変なことになります。電波はもちろん、衛星放送などテレビ放送に使われています。赤外線は私たちを含めた発熱体からは全て発生しておりますし、可視光線についてはなにをかいわんやです。

マイクロウェーブは電波の一種です、先に述べたように電波には危険な電離作用はありませんので、彼らのいう機構で遺伝子が傷つくことは考えられません。発熱することにより、たんぱく質などが変性することになります。食べる物の遺伝子が壊れていたらどうなるのでしょう。もし遺伝子の壊れていない物を食べたとしても体内で消化される事で壊されてしまうはずです。食品への放射線照射問題と意図的に混同させようとしているのかも知れません。食品への放射線照射が問題視されるのは、放射線を当てたことによる成分の変成や栄養成分の損耗が懸念されるからで全くの別問題です。

少なくとも、お母様方は悩む必要は全くありません。全てにおいて安全が証明されたものなんて実際にはほとんど無いのですからね。

*1:ちなみに、ここにまとめたのは新谷弘実さんの主張です