玄米菜食と助産院その結びつきは?

マクロビとホメオパシー−共通点や類似点−『出産育児の現場、主に助産院で用いられている』項目の記事です。

■どうして助産院と親和性が高いの?
ホメオパシー助産師の親和性は以前から指摘されて来ました。それは、日本助産師会助産業務に用い無いように』という趣旨の声明を発表しなければならないほど深刻なものであったようです。玄米菜食もホメオパシーと同じような理由で助産師が採り入れるケースが多いようにどらねこは感じております。つまり、医療を提供できない助産院が独自色を出すために提供するサービスという感じですね。助産院側が発信する場合もあるでしょうし、妊婦からのニーズを取り込むために提供を始めるという事もありそうです。
ところで、玄米菜食と助産院の関係ですが、いつから結びついたのかは調べきれていないのですが、ホメオパシーに比べて長い付き合いではあるようです。そして、今日のように多くの助産院で玄米菜食が提供されるようになった切っ掛けは、あるカリスマ助産だったのでは?というのがどらねこの憶測であります。

■自然育児友の会
自然育児友の会は、故山西みな子氏に母乳相談を受けていた母親達が集まってつくられたとされる団体で、山西氏その顧問を努めておりました。そして、同じく顧問には我らが真弓定夫氏が現在も就いております。山西氏の主張には母乳の質は母親の食事に大きく影響されるというものがあり、これを体現した食事法が玄米菜食と謂うことになります。次に示す一冊とその中で示されている内容を見れば納得していただけると思います。

母乳相談110番 −母乳育児のQ&A− 山西みな子著 正食出版刊(1988)
●粉乳を排除すれば母乳は出る
●低栄養の方が母乳はうまく出る
●暴力ママも非行児も原因は食べ物
●離乳食も母親が噛んで与えるのがいい

正食出版から刊行されている事、真弓定夫氏と親交があるなどから山西みな子氏がマクロビオティックなどの食養的思想に馴染んでいたと考えられます。カリスマ助産師のひとりが肯定的に紹介する事により、助産師業界に玄米菜食が広まっていったと考えられます。他にも理由があると思いますが、必要に応じて追加していきたいと思います。

助産院と玄米菜食の例
これについては過去記事で助産の専門誌に玄米菜食が好意的に紹介されている事例を紹介した通り、かなり深刻な状況が伺えます。

助産の専門誌で堂々と玄米菜食が掲載されていました
その状況について、現役助産師の方からも憂慮のコメントを頂いております。

ふぃっしゅさんのコメント
普通のマタニティ雑誌なら自由ですが、助産師の雑誌での記事であれば、科学的根拠に基づいた病院の食事を暗に批判しているととらえられてもしかたがないですね。さらに根拠のない食事療法を勧めることになるという、二重の過ちと言えます。
3月号は、アユールヴェーダによる食事療法でした。またまた、野菜だけの食事です。「大根とにんじんの排毒ポタージュ」なんていうのも・・・。

専門誌に採り上げられた内容が特別なモノでない事は検索してみるとよく分かります。『助産院』・『玄米菜食』・『正食』などのキーワードで以下のような事例が簡単に捕捉されます。

稲田助産
ttp://ubugoeparty.jp/article/32129494.html
★献立例
朝食
   長岡式酵素玄米、おかゆ、野菜中心の3品、味噌汁、
   お新香など。

昼食
   うどん、そば、お餅、パスタ、パンなど麺類を中心とし、
   組合わせでスープ、サラダ、フルーツ、おかず1品など。

夕食
   長岡式酵素玄米、お汁(おすまし風や具汁、けんちん汁
   など)、主菜は少しボリューム感のあるもののほかに2品など

ここでも出ました、長岡式酵素玄米。

ふれあい助産
ttp://www.fureai-josanin.com/birth.html

元気な身体を作るために玄米菜食が大事だと思っています。西洋栄養学でなく、本当の日本人に合った食事とはどんなものか?を考えながらお食事を作っていきます。
体のことを考えるとやはり主食には玄米が良いと思っています。玄米は愛媛県内産の有機無農薬のものを取り寄せています。
おかずは、″まごわやさしいこ″が1日でこなせるように食材を選んでいます。産後の入院生活も健康に過ごせるようにしたいと思っています。
食材は有機野菜、手に入らなければ無農薬野菜、減農薬、さらにそれも手に入らなければ、県内産の産直市場の新鮮なものを使っています。
お味噌や醤油、塩などは、自然食品屋さんからお取り寄せた物を使用しています。その他の調味料も勿論、食品添加物なしです。

こうした話しは、農薬や食品添加物を使用してつくられた食品自体が有害なものという前提に成り立っているのですよね。前提が誤っている可能性を疑うことは本当に大切だと思うのです。前提が誤っていれば、その後真面目に研究や努力をしても多くの労力が無駄になってしまうからです。真面目な専門家達の無駄な努力は本当に勿体ないと思います。

マナ助産
ttp://www.mana-mh.com/
母乳ケア
・自力哺乳で授乳開始。(生後約30分)
・完全母乳。 (ほとんど全部のベビーが、糖水・ミルクを一切足さずに、母乳のみで育っています。)
・食事は陰陽料理・正食を基本とした玄米菜食 有機無農薬、無添加の食材を使用しています。(使用率約80%)

さらに同助産院の提供するコンテンツの中には・・・

便秘 解消法 その6 「ホメオパシーttp://www.mana-mh.com/manadayori/hesonoo/82.html
これもかなりの人に効果があります。
ホメオパシーという言葉を耳にしたといわれる方もここ1,2年、増えてきましたが、欧米では一般的と聞きます。これも専門として学んだわけではないのですが、私の理解しているところで、一言で説明すると、病症と同様の症状を起こす物質のエネルギーを用いて病気を治療しようとする方法で、体の中にある治癒力を呼び起こすという発想です。過去の心の傷といった精神的なものにも効果があります。これも妊娠、出産、産褥において自然な経過を助ける助産師としては魅力のある手段です。薬を出来るだけ使わずに子育てしようと思っておられるママたちの間でも“知る人ぞ知る!”です。「物質のエネルギー」と書きましたが、物質を限りなく希釈したものを砂糖玉にしたものをレメディーと言い、便秘の時はサポートchoというレメディーを使います。

他にも、マクロビオティックと明言する毛利助産院など色々です。
では、こうした助産院の指導は妊産婦にどのように届いているのでしょうか。

ビギナーB子の子育てへの道
ttp://activebirth.seesaa.net/article/51517412.html

通っているM助産院で開催している食事のお勉強&試食会に行きました。
M助産院では、穀物菜食の食事を勧めています。出産時の入院中に出されるのも同様の食事メニューだそうです。
基本的に野菜が中心のメニューで、調理には油・砂糖・みりんを使いません。炒めものには油代わりに昆布と鰹節でとった出汁を使います。

奥の小鉢は出汁をとった昆布を酢醤油・水・生姜で煮たものと、ぬか麹に浸けた野菜の漬け物。お味噌汁はじゃがいもとさやいんげん。お茶は中国のポーレイ茶。

ご飯は古代米酵素玄米のご飯。圧力釜で炊いたものを、業務用の温度の高い保温釜で3日くらい寝かしたものだそうです。こうするともっちりと柔らかくて消化も良くなり、おいしくなるんだそうです。
古代米酵素玄米も、今まで食べた事のないモチモチ食感で、本当にご飯自体がおいしかったです(^^)
<中略>
助産院では、「なるべくお野菜を多く摂れば自然に肉と魚を食べる割合が減ってくる」し、食べるなら「赤身の肉や白身魚」、「油はオリーブオイルや一番搾りゴマ油」で、調味料も「余計な物が入っていない良い物を使う」事を心がければ、使っても良いと言っていました。
お野菜は元々好きだし、これならなんとかやって行けそうです。でも、大好きなパンや甘いもの、乳製品、果物などを我慢するのは結構辛くてストレスたまってます( p_q)

私には完全な玄米菜食は無理だし、自分の出来る範囲で折り合いをつけて、少しずつ理想の食事に近づいて行けたらなぁ、と思います(^▽^)/♪

完全な玄米菜食は無理と仰っているのでその点は安心なのですが、玄米菜食が理想であり、普通の食事は良くないという誤った理解をしている事がわかります。必要のない努力でストレスというのはどうなのでしょう。妊産婦の援助をするのが助産師の本分じゃあないのですか?

助産師業務にホメオパシーを用いないように、という声明が発表されたのは不幸な事件が公になったからでした。小さな命が犠牲にならないと改められないというのは情けない話しです。ホメオパシーの問題を見つめれば、同じ構造の代替療法を疑うことは容易に出来るはずなのです。
これを機会に子どもの健康に影響を与えるような代替療法について疑いを持って欲しいとどらねこは考えます。