ふぐと調理人

※このエントリはどらねこが出会った事のある調理人との会話などを思い出して書いたモノです。此処に書かれていることは事実とは異なる可能性があります。また、フグのキモは店で出されても絶対に食べないで下さい。

■世間話
1人目:どらねこは以前、栄養士養成関係の仕事をしていたことがあり、調理師の方ともオハナシする機会がしょっちゅうありました。昼間はまぁ、真面目なお話をしますが、酔っぱらうとちょっと羽目を外したようなエピソードを聞かせて貰う事がありました。フグ調理の免許を持っているその人は謂いました。フグの肝はとろける様に美味しいのだそうです。そして、なんだか舌に残る痺れるような感覚もまた、たまらないのだそうです。勿論、ヒトに出したことが無いと仰っておりました。
2人目:同じく免許モチのヒト。釣れたフグを調理するのもアリだよね、マフグとかトラフグを同定できて内臓を傷つけないように調理できる自信があるのなら筋肉は無毒だから食べても大丈夫だろうね。勿論、自己責任だけど・・・そう謂ったときの彼の顔はとっても楽しそうで、魅力的に話しておりました。
3人目:別の知り合いで、偶々免許を持っている事を聞いた。上記のヒトは関東だけど、この人は関西のヒト。自分は見習いだったので、裏でお手伝いしていたけど、お店の主人とかは常連のお客さんに肝を提供していたよ、とのこと。やっぱり美味しいからねぇ〜だって。そして、天然物は絶対に出さないようにしてたそうで、養殖物のトラフグを提供していたとのこと。

■その結果・・・
昨日伝わってきたニュースがこれ

愛媛県は8日、同県今治市内のすし店で、フグの内臓を食べた3人がフグ毒のテトロドトキシンによる中毒で入院し、うち1人が死亡したと発表した。
死亡したのは、店を経営し、フグを調理した今治市の男性(63)。同県西条市の男性(66)も意識不明の重体。
県によると、調理した男性はフグ取扱者の免許を持っていなかった。同店では7日午後3時から、常連客の男女6人を招いて会食。フグの内臓を食べた3人が同日午後6時半〜8日午前5時半に手足のしびれや呼吸困難などの症状を訴え、病院に運ばれた。フグの種類は分かっていないという。
この店では商品としてフグは出していなかったが、これまでにも自ら調理して食べることはあったという。

asahi.com朝日新聞)1/8記事より
http://www.asahi.com/national/update/0108/OSK201101080194.html

どらねこが調理師から聞いたエピソードに類似した部分を見つける事ができるだろう。大きく違っているのは深刻な事態を招いたか、そうでなかっただけだと思う。
今まで大丈夫であった事が今後も大丈夫であることをなんら担保しないのです。自分だけなら・・・の気持ちが、何度も食べても大丈夫であったという経験により過信に繋がり、このような事件を引きおこしてしまったのでは無いだろうか?
上のエピソードで出てきたヒト達もこのニュースを見て何かを感じ取って欲しいし、今後このような話を軽々しく口にして欲しくないなぁ、そう思った。