すべての治療法は対症療法?【桜沢如一の世界その2】

予定とは異なり、早くも第二回目の登場となりました。あんまり構えて書くのは疲れてしまうので、気楽な感じで好きなように書こうかなと心境が変化しました。
まずは、マクロビオティックの考えは出発点で大きな勘違いをしているよ!という内容でお送りしたいと思いますが、今回を導入編として次回に本論を展開しようと考えております。どうぞ読んでやってくださいまし。


■西洋医療は対症療法
ホメオパシーもそうですが、代替療法を奨める方がたの言説に、『西洋医学は対症療法的であり、根本原因の解決にはなりません』というものがあります。自分たちの方法論が有用であることをアピールするためなのでしょうね。マクロビオティックの提唱者桜沢如一もその一人で、著書である『無双原理・易』の中でも幾度となく言及されております。
ところで、桜沢氏の話で面白いのは、大なり小なりを別とすれば西洋医学だけでなく漢方やその他伝統的な治療法の殆どが対症療法的である、と述べているところです。

p148
胃薬を年中欠かさず用い数年十数年連用すると雖も更にその快癒を見ない人が尠くない。而も此等の人々は多く久服の結果中毒し、難治の余病を招いている。漢方に於いてもその薬物療法は同様、効能に優劣こそあれ、久服連用に副作用、中毒こそなけれ、根治は困難である。


なるほど、薬物を使用する療法はどれも対症療法的であるわけですね。しかし、漢方薬に副作用、中毒が無いという理解はどんなモノなのかしらね?
更につづけて・・・

p148
これ全ての対症療法の運命である。ホメオパシーも此の部に属する。

なんと、桜沢如一ホメオパシーをご存知だったようだ。

p148
物理療法としては洗滌、カイロプラクチック、触手、指圧、鍼灸、電気按摩、運動、その他色々あるが、之らも亦対症的であるが故に根治を期する事は原則として困難である。

更には食事療法や座禅、信仰などについても何らかの外部からのチカラが介入しており、これもまた対症療法的だと説明します。

■根本的治療法
桜沢は根本的治療法について次のように述べます。

p150
その根本的療法とは何かと云えば、それは疾病の真原因を取り除く方法である。真原因とは何か?遺伝も、細菌も刺戟も、年齢も東洋では真の原因と認められない。


病気になる人とならない人も居るんだから、細菌だけが病気の原因ではない、と謂う主張については分からないでもないですが・・・
さらに桜沢は続けます。

p152
根本的治療法とはあらゆる外物の力を藉りる事なく、何等の特殊なる努力を要求する事なく自然に疾病の根本を消滅退散せしめ、更に再び如何なる疾病にも冒すさるる事なき健康を確保し、人生の真の幸福と安心を与うる底のものである。仮初めの感冒に侵さるる事は既にこの根本療法を知らず、又は体得せざるものである。

あらゆる外力や特殊な努力を必要とすることなく、病気に罹ることがなくなるってどんな方法なのでしょう?確かに修行により強い体を作り上げるというのは、誰にでも出来ることではないですし、修行によるリスクもあるでしょう。では、それに代わる方法というのは本当にあるのでしょうか。
次回は桜沢の提唱する根本治療法の正体に迫ります。