低エネルギー食の有効性を実証したい

認定ホノメカスとして有ること無いことを仄めかしたい・・・そんな欲求が日増しに高まっているどらねこです。これは、喉に刺さった魚のホネを取り除くための白々しいエントリです。

■もしどらねこがサルを用いて研究するとしたら
低エネルギー食は健康寿命を伸ばすのではないか・・・そんな仮説を実証するために、潤沢な資金を与えられたらどうするだろうか。サルを対象とした食事介入試験を行い、その経過を観察していくと面白いかも知れない。その経過観察はサルが命を落とすまで続けていくのが良いだろう。介入するからには比較検討しなくちゃならないから、各群の食事量を設定する。まず、サルが必要とする栄養素が全て含まれた食事というのは共通として、一つめは食事を大量に用意し、制限無く好きなだけサルに食べさせる群、もう一つは一般的なサルが必要とするエネルギー量に設定した食事を食べる群、最後は一般的に必要とされるエネルギー量の約70%のエネルギー量になるように食事を調整する群。その三つで行いたいところだ。
しかし、現実はそんなに資金がないから2群しか設定できないとしたらどうしよう。どらねこだったら、一般的な摂取量の群は飼育下の平均寿命で代行できそうだから設定しないかもしれないな。あと、自由摂食群との比較の法が差がいっぱいできそうだし・・・。

■サルは大切に
さて、60頭のサルを2群に割り付け飼育し観察をすることになりました。寿命に与える影響を見たい実験ですから食中毒や感染症などで死んでしまうのは避けたいところです。予防接種の投与は勿論、彼らの住む環境に病原菌を持ち込まないようきちんとした管理を行うことでしょう。また、喧嘩をして傷ついても困りますから、一頭一頭わかれた状態で生活をしてもらおうと思います。

■実験の経過
さて、サルを買い始めてから20年がたちました。2群にわけたサルたちはどうなったのでしょうか。どらねこは調査結果を見てにんまりしました。
自由摂食群のサルのウチ40%のサルが加齢に関連する病気で死にました。一方、エネルギー制限群のサルにはわずか15%が加齢に関連する病気で死亡したのみでした。次に生き残ったサルを比べても一目瞭然、自由摂取群のサルに比べて制限群のサルは見た目も若々しく、体重は明らかに軽い割に活動量も勝っておりました。
ふふふ、エネルギー制限でサルのアンチエイジングに成功したぜ!サルで実証できた事はヒトにも当てはまる可能性がある!!と、締めくくる論文でも書こうかな。

■心配性のどらねこ
しかし、まてよ。確かに面白い結果はでたけれど、これはそのように解釈しちゃって良い話なのかなぁ。ヒトについては中年以降の体重と死亡の関係を見るための追跡調査の結果では、だいたいBMI25以上の方が死亡率が低い、なんて結果が出ていたんだよねぇ。あれは何でそんな結果になっていたのだっけ・・・そうそう、低体重の高齢者は病気に罹った場合、体力が無いから亡くなってしまう場合が多いとか解釈されて居るんじゃなかったっけ・・・。生活習慣病以外では肺炎での死亡割合が比較的高かったんだよなぁ。感染症という要素が人間には関係してるんだよ。うん、ヒトは隔離された環境で生きていないから同じように当てはめて考えることは難しいかも。
他は大丈夫かしら・・・。体重の差については自由摂食群ばかり無駄に太ってしまった可能性あるよなぁ。丁度良い食事量と制限食の場合差が出たのかしら・・・。うう〜ん、だって、食事量を少なくすると活動量が低下して簡単には体重が下がらなくなる事を示唆する研究を見たことがある気がするんだよう。もしかすると欲望に赴くままの食事は悪いですよぐらいしか謂えないんじゃないのこの研究結果・・・。

■もしかして
面白いんだけど、面白いだけで多くのヒトに当てはめて考えることは困難だよなこの実験デザインじゃ。
でも、まてよ・・・今後の医療の進歩で感染症などの心配がなくなったとしたらどうだろう。不必要に栄養を蓄えて備える意味が少なくなるかも知れない。檻に閉じこめられて不十分な運動しかしないライフスタイルのヒトが増えれば、この実験の結果が当てはまるようになるのかも知れない。勿論、全然そんなことは無いのかも知れないのだ。

■しかし
そんな事をつらつら書いてきたどらねこだが、コレを実際の研究として立ち上げ、成果を纏めるとするならば、センセーショナルなモノであると喧伝するのであろうな。
まさしく、劇場のイドラ・・・