いと

■春のこと
今年の春のことだったと思うのだけど、どら息子2号はこういいました。
きんせい

下の方にある線が月らしいです。どらねこには転がっているジャガイモの絵に見えますけど、これは『金星と月の絵』であると考えて良いでしょう。だって彼は月と金星を書こうと考えて書いたモノで、その事を他者に伝えたのだから。
■ある日のこと
いつだったか忘れてしまったある日の事です。どらねこが家でゴロゴロ*1していると、謎の小瓶を持ったどら息子1号が寄ってきました。
「お薬ペタペタ」
どうやら以前、ケガをしたときにしてもらったお手当のまねっこあそびしているようです。その後どらねこの腕はプラスチベースでべとべとになってしまいました。
■治療なのか
ある日、どらねこはふと考えました。
ジャガイモみたいな絵は『月と金星の絵』で間違い有りません。では、『お薬ペタペタ』は治療行為なのでしょうか?
本人の意図としては両者ともそのつもりの行動ではあると思いますが、絵については間違いなくそうであると、どらねこには思えるのですが、『お薬ペタペタ』は彼がいくらそのつもりでも治療行為にはなり得ないと思うのです。それはきっと、それぞれが持つ『意味』が関わって来るためでしょう。自分が意図しても必ずしもそうとは受け取られない事もあるのですね。
では、どら息子が行った『お薬ペタペタ』は問題となるようなインチキ療法なのでしょうか?
勿論違いますよね、単なる子供のごっこ遊びだと考えられるでしょう。幼児が行う遊びはそれなりの不都合がないかぎり咎められるモノでは無いという社会の合意があると思います。

■効果があるのか
どらねこはココでまたふと思いました。いっぱいふとするのは、最近ふとってきているからかもしれませんね。
で、ふと思ったのはお昼近くにテレビに流れる所謂健康食品通販番組などの事です。

ぽんぽこけんこ〜♪けんこ〜いっか♪
今日も家族の健康はぽんぽこたぬきさんドリンクV20000000から。
ぽんぽこたぬきさんドリンク*2は人間に欠かすことの出来ない大切な成分を効率よく補う事ができる健康飲料ですっ!!
「いやぁ〜、これは美味しくて飲みやすいよねぇ〜。毎日飲んでるよ」
ナレーター「○○さんは孫と一緒に鬼ごっこを楽しむ毎日です。1ヶ月前には毎日病院に通っておりましたが、今は脚の痛みもなく健康そのものの生活を送れています」

テレビ画面には個人の体験談で効能を謳うモノではありませんという趣旨の白文字が画面の明度の高い場所に映っています。
この文字を映し出す意図はどのようなものなのでしょう。誤解を招かないように・・・という意味合いで示す事になったのでしたっけ?じゃあ、番組を制作する側はこの縛りがなければこのような文字を掲げるのでしょうか?
健康に孫と楽しそうに生活する老人がぽんぽこたぬきさんドリンクを手にニコリ・・・この映像を制作した意図はどのようなものなのでしょうか?けっしてその意図は表明されることは無いと思いますが、商品の効能を仄めかす為で有ることは状況から明らかだと思います。
商品を購入される方はこうした宣伝をある程度信用(もしかしたら程度から)したのだと思います。
では、どうして信用できたのでしょう?様々な理由があると思いますが幾つか考えると、『公共の電波に堂々とインチキ情報を流さないだろうという信用』『名前の知られている会社なので、という信用』『効果が感じられるような構成になっているから実際もそうなのだろう、という信用』などなど。
どれも提供者側が主に伝えたい意図を受け、その意図を信用して購入という行動につながったとも考えられます。
多くの健康食品は販売者側が仄めかす内容そのままの効果効能が確認できるモノは無いと謂っても良いでしょう。つまり、ある種の裏切り行為なのだと思います。
明言しなければ問題は無い?・・・そんな理解が世の中に溢れたらどうなるでしょう?どらねこが心配性なだけかも知れませんが、とても住みにくい世の中になるような気がするんですよね。
このような内容の放送を許可するテレビ局って・・・どらねこはとても哀しいのです。

*1:このゴロゴロはノドを鳴らしていた音ではありません

*2:架空の健康飲料http://d.hatena.ne.jp/doramao/20091008/1254925082