オレの時代がやってきた

久しぶり(?)に、どら息子達が通うマクロビトンデモ保育園のおはなしです。

■保護者懇談会で園長は自分のケガについて話し出した

園長は今年になって二度ほどケガをされたらしい。アタマともう1カ所。けっこうワイルドな方なので、年中ケガをするのだけど、その度に荒療治で乗り越えてきたヒトなんです。今回のケガは血がボタボタ流れるぐらいらしかったのだけど、例によって医者にかかることなく完治させたとのこと。
そこでヒトコト。

ついにオレの時代がやってきた

ケガをしても消毒薬は使わない湿潤療法が一般にも知られるようになってきた・・・それがオレの時代なのだそうです。園長曰く、消毒薬をはじめとする薬は人間の自然治癒力を減退させうんたらかんたら・・・という昔から自分(をはじめとする自然育児関連のヒト達)が訴えてきた、消毒薬を使わない青菜シップなどの治療法(?)が最近話題の湿潤療法で証明されたんだ。
これをドヤがおと呼ぶのかしらという表情で、エッヘン!
大いに荒くした鼻息で全てを吹き飛ばすような勢いでそう述べたのでした。

自然治癒力
そう謂えば、どらねこはどらねこ日誌*1やとらねこ日誌*2で過去に何回か湿潤療法に言及していたりします。
早い話が、湿潤療法推奨派なんですね。
ココまでの話の展開を見て、この話を知っている数少ない*3どらねこブログファンの方は、マクロビ園長とどらねこがこの件では意気投合したのかも・・・なんて思っちゃうかも知れませんね。
でも、実は全く逆なんです。
湿潤療法が良く誤解される点について言及するためちょうど良かったので、園長に登場願ったのでした。じゃあ、何が違うというのでしょう。それは他ならぬ夏井睦先生が自身のウェブサイトでこのように述べておられます。

更新履歴2010/01/15より
私が「自然治癒力」という言葉が大嫌いで,湿潤治療を「自然治癒力」と関連付けて説明しないのは,この言葉を使うとこの手のインチキ宗教のお馬鹿連中と同一視されかねないからです。
前にも書きましたが,確かに脊椎動物には傷を治す能力は備わっています。しかしその能力は,陸上生活をする動物の皮膚損傷では封印されていて,自然に発揮されることはありません。だから,皮膚損傷を治すためには「湿潤環境」という陸上生活では絶対に有り得ない不自然な環境を人工的に作り出す必要があります。それが湿潤治療の意味です。その背景には,多細胞生物の10億年の歴史があります。
要するに,皮膚の傷は自然には治癒しません。だから,湿潤治療を「自然治癒力」という言葉を使いたくありません。

つまり夏井先生は、根拠のない代替療法の謳うような自然治癒力の考え方と湿潤療法は全く別のモノですよ〜。そう釘を刺しているのです。

マクロビ園長の行っているのは療法以前の自然治癒です。園長の強靱な肉体や運の力で治った可能性が高いのです。それを安易に他の人に勧めるのは大変危険なことと考えます。
湿潤療法自然治癒力を高める事を目的とした治療法ではありません。
傷に異物が有れば、感染源となるため完全に除去し、綺麗に洗いながします。そうして、から傷口を湿潤状態に保つシートなどを貼り付けるのです。内部に膿がたまることが予想される場合には排膿(排毒ではない!!)といって、膿を外へ出す仕組みを作って完全閉鎖はしないようにします。
ただ単に自然に任せる方法ではないのです。

湿潤療法は生理学に基づいた合理的な治療法です。教科書を開いても書いていない独自概念に基づいた代替療法とは全く違うモノだと謂う事を知って貰いたいと思います。