冗句にならない

【危険な物質DCHHMO】
化学式「DCHHMO」で表される物質を知っていますか。

DCHHMOとは:
■火災の原因となる
■循環器系、消化器系の病気を誘発する
■精神、身体両者に依存性を持つ
■菌に汚染された穀物から見出される
■中枢神経を麻痺させる
■ヒトの細胞を殺す作用を持つ
■事故や自殺とも関連している


体内では麻薬のように働き、細胞に対してはたんぱく質変成作用を持ち、長期的には生活習慣病の原因ともなる危険な物質が「DCHHMO」です。
それにも拘わらず我が国では、日常食べる食品へ添加物として用いられていたり、一般人が許可証もなく購入することが可能です。

これを読んで、どう思いましたか?「DCHHMOとは何て危険な物質なんだ!!規制を強化すべきだ!!」
と、思わなかったでしょうか。
 実はコレ、どらねこが『疑似科学とのつきあいかた〜教師を目指す皆さんへ〜』という冊子の中で長島准教授によって書かれた文章をまねっこして作ったものなのです。DCHHMOとはエタノールエチルアルコール)のことなんですね(くっ、苦しい略語だな、HはHexa)。えっ?ジョークになっていないって?
 確かに、大学新入生が歓迎コンパで急性アルコール中毒になり搬送された、とか、アル中のお父さんが家族に暴力を振るったとか・・・シャレにならない危険な物質だと謂えるでしょうね。エタノールは少量ではそれほど危険な物質ではないのですが、薬剤の安全域の指標となる、治療係数というものがとても小さいのです。これが大きいほど安全な薬であるとされます。薬理作用と中毒作用と致死作用を及ぼす境界がとても近いところにあるのですね。
 ヒトの細胞を殺す作用があるといのは、どういう事でしょうか。エタノールは細胞のたんぱく質を変性させることにより、細胞を傷害します。この作用を利用したのが、消毒用アルコールによる殺菌ですね。菌や有害微生物だけに作用すれば問題ないのですが、これはヒトの細胞にも同じように働きます。例えば、傷のない皮膚のみを消毒する場合には害はあまりないと考えられるのですが、未だ粘膜や傷口にエタノールが入った薬剤を直接塗布するという行為が医療として行われる事も有るというのが現状なんです。ホントに冗談じゃない。ヒトの持つ傷修復能力は結構あるので、消毒されて治りが遅くなるにしても、結局は治るケースが多いから、傷口に消毒という行為が直ぐになくならないのでしょうね。

 でも、酒は百薬の長とも謂うし、ほら、適量のお酒は健康に貢献するって謂うじゃない。健康調査等の横断的分析でもそんな結果あるでしょ・・・。ほら、沢山のまなけりゃいいんだし、ねぇ、いいでしょ。もう一杯・・・あ、あとちょっとだけ・・・
 朝になると何時も思うのです・・・今夜は飲むまい!って・・・
 次の日の朝もおもうのです・・・今夜こそは飲むまい!って・・・
 次の日はこう思うのです。デジャヴュ?
 次の日は Oh No! not again・・・

 皆様、お酒は適量、ほどほどに、楽しい程度にホント十分気をつけましょう。