がんと補完代替医療のコスト

自閉症に対する代替医療関連を調べていた処、丁度読んでいた論文とkikulogで話題になっていた内容が被さっていたので、ちょこっと自分が読んだところを紹介したい。
スレッド:報道ステーションホメオパシー
YMNさんのコメントより引用

YMN — November 26, 2009 @21:51:09
国内のがん患者の半数近くが代替療法を利用とのことですが(妙に多過ぎる気もしますが、藁をも掴む思いの中での実情なのかもしれません)、おそらくその殆どは大した金額ではないものを気休め程度として併用している程度で大きな実害は無いのではないかと思います。
それにしても1割でもあるいは1%でも代替療法に多大な金額を払ったり、通常の医療を回避している層があれば、その被害者数は莫大なものになるはずです。


たいした金額ではない、気休め程度という金額が一体いかほどなのかは人それぞれだと思うが、仮に月2万円以上をたいした金額だとすれば、YMNさんの予想以上である。
実態調査の結果を見ると代替医療利用者の中で、月に2万円以上費やしている人は1割を超えている。

【全国のがんの医療現場における補完代替医療の実態調査】
Ichinosuke Hyodo, Noriko Amano, Kenji Eguchi, Masaru Narabayashi, Jiro Imanishi, Midori Hirai, Tomohito Nakano, Shigemitsu Takashima.Nationwide Survey on Complementary and Alternative Medicine in Cancer Patients in Japan. Journal of Clinical Oncology, Vol 23, No 12 (April 20), 2005: pp. 2645-2654
http://jco.ascopubs.org/cgi/content/abstract/23/12/2645

The prevalence of concurrent use of anticancer drugs and CAM products was 61.8% in CAM users. The average monthly expenditure for CAM was 57,000 yen (approximatelyUS $500; range, 0 to 1200,000 yen).

補完代替医療の利用者の61.8% が抗ガン剤と健康食品などの補完代替医療を併用しており、その金額の平均は月5万7千円。

これだけでは実態が分からないので、がんの補完代替医療ガイドブック【第2版】p15に掲載されている表を引用する。(当該資料については近いうちに紹介エントリ挙げたいです)

費用捻出の為に、生活の質を犠牲にしていないだろうか?
たいへん心配な状況であると考える。