こもりうたこうさつ

退屈なリズムで煩いクソガキをさっさと眠らせたい。そんなニーズから誕生したのが子守歌なんだと思う。たいていの人は親やじーさん、ばーさんから子守歌を聴かせられた事だと思う。
でも、日本の子守唄には結構ブラックなものが多いよね。
「このクソガキぃ、さっさと寝ないか!!私は親の顔も知らないというのにぬくぬくと私の背中で眠りやがってぇ」みたいな気持ちで記されたような歌詞も見られるようだ。
ねんねんころりよ』はともかく、かわった歌詞の子守唄を聴いて育った人も多いのではないかと思う。
どらねこもそのクチで、これ何処が子守唄?みたいなのを布団で毎日のように聴かせられた。では、紹介しよう。
『ね〜んね〜ん、ねっこのケツにか〜にがはいこんだ〜、ひきずりだしても、ひきずりだしてもま〜た〜はいこんだ〜』
これがずぅ〜と、ループするのだ。
子供心に蟹がはい込んだら気になって眠る事なんてできません。それに、猫なのか寝る子なのかも定かじゃない。もう、足の裏を蚊に刺された状態に鰊の小骨が喉の奥に引っ掛かったようで、もどかしいったらありゃしない。
「猫のケツ穴に蟹が入るわけ無いだろう!!」
20数年ぶりにこの感覚を思い出したどらねこは、合理的解釈でこの感情に終止符を打とうと考えた。
「ねっこ」は根っ子で、陸生の蟹が樹木の根元付近に空いた穴を棲家にしていた。蟹を捕りに来た人間が穴から蟹を引きずり出そうとするが、蟹は素早く穴に逃げ戻ろうとする。
この唄は蟹捕り親父と素早い蟹の物語に過ぎないのだ。
子供か?自分。