栄養素欠乏

震災避難者に栄養素欠乏が深刻になっていると謂う記事を読んだ。
これは、阪神淡路大震災中越地震などでも起こっており、専門家による分析が為され、支援マニュアルなども整備されたようだ。
絶対的な食料不足は大問題であるが、仮設住宅に入所した後でも手に入る食材に偏りがあるなど特定の栄養素が不足することが懸念される。
■欠乏が心配される栄養素
支援食料品や配布される弁当、炊き出しなどはエネルギー確保が重視されており、塩分も高い場合が多い。これは被災後まもなくの十分な食事が摂れずに体も冷えたような状態では大変有り難い食事なのではあるが、長期間もこのような食事が続くとやはり色々と問題が出てきてしまう事が予測される。
健康なヒトはまだしも、慢性疾患などの基礎疾患を持つヒトに於いては、高塩分、高エネルギーの食事は病気を重篤化させてしまうかも知れない。緊急時を過ぎた後には彼等の健康を損なわない援助物資の補充が求められるだろう。
また、健康なヒトでも生鮮食品が十分に手に入らない事によるビタミンやミネラル不足は深刻になってくるだろう。
不足しやすい栄養素は鉄、ビタミンB1、ビタミンCである事が知られている。この3者は何れもビタミンミネラルの中では短期間で欠乏症が現れやすいものであり、1月以上このような状況が続けば体への何らかの影響が心配されると考えられる。
■必要なヒトに必要なモノを
不足しやすい栄養素を効果的に補うには・・・しかし、物資を運ぶのにも重量などの制限が出てきてしまいます。ビタミンも大切とはいえ、エネルギー確保は最優先なのは間違いありません。
健康な食生活をしているヒトにビタミン・ミネラルサプリメントを飲むことにはあまり意味を見出せませんが、不足が予測されるヒトにはとても効果的な食品と謂えるでしょう。必要な成分しか含まれていないので、軽量で場所をとりません。何となく買って何となく飲んでいるヒトは、援助物資として提供するのもありかも知れません。(ビタミンB1については昔給食で利用されていた強化米などが被災地に提供され活躍している)
でも、栄養素を満たすだけが食事の全てではありません。偶には新鮮な野菜や魚介類を楽しみたくなるのは当然の欲求です。
心がくじけてしまっては、復興への意欲も萎えてしまいます。栄養素を満たすことだけでなく、見た目や嗜好、季節感にも配慮した食事援助も同じく大切であると思います。