イメージ図ならそう書いてよ

人口ピラミッドで気になる
はてなブックマークを見ていたら、次の記事が目につきました。

崩れる人口ピラミッドをみて何を感じるか
http://stockkabusiki.blog90.fc2.com/blog-entry-1187.html

当該エントリには人口ピラミッドの画像が引用されていて、ビジュアルから実感される人口構成の変化に言及されているモノでした。内容について何か述べることは特になくて、きになったのは引用元の図表についてでした。

衰退に直面する日本(三度目の奇跡データ編)日本経済新聞電子版よ
http://www.nikkei.com/edit/news/special/declined/#/menu_name/population_name/population1_1_name
確認の為、元の表にあたってみてもやはり同じものが掲載されていました。そのうち二つを転載します。




何が気になるのかと申しますと、メモリの数値を見てください。見比べるとわかると思いますが、2005年の人口グラフに比べて、2055年の人口が同じくらいか寧ろ多いように見えるのです。
そんなバカな!だって将来人口は減っていくことが予想されているのでしょう?

ツイッターでもkuri_kuritaさんが同じように述べておりました。

2005年の30〜34歳人口よりも、その五十年後の2055年の80〜84歳人口の方が多いようですけど… ナゼなのでしょう? 海外から輸入?

将来人口を推計した、国立社会保障・人口問題研究所の推計方法の参考資料を見る限りそれほどの人口増をもたらすような流入を想定していないようにみえます。

日本の将来推計人口より

http://www8.cao.go.jp/shoushi/kaigi/ouen/k_1/19html/sn-1-1-3.html

それでは、この表の元となった人口問題研究所のピラミッドと比べてみればよいのでしょうか?残念ながら日経が示した5才区分ではなくて、各年齢毎のピラミッドであり、一目瞭然とは参りませんでした。

〔出生3仮定(死亡中位仮定)の推計結果〕


http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/suikei07/P_HP_H1812_A/h2-4.html

それでも、2005年、2055年のピラミッドを見比べると、日経の2005年のピラミッドは全体的に過小となっている事が分かります。

■男女年齢各歳別人口
そこで、ピラミッド作成の基礎となる2005年の人口データを参照し、ピラミッドの該当区分に当てはめてみることにしました。日経の図では、55〜59歳の区分でおおよそ700万人ほど、30〜34歳の区分でおおよそ650万に程度と見積もられます。
元となった男女年齢各歳別人口(2005)では、それぞれの人口を計算すると、55〜59歳の区分で1029万人、30〜34歳の区分で979万人であり、それぞれ300万人ほど過小に見積もられております。その他の年齢も同様の傾向でありました。
要するに、図表下に書かれている『国立社会保障・人口問題研究所の推定を基に作成』という文言に嘘偽りがあるという事になります。
確かにビジュアル的にはその方がインパクトがあるのかも知れませんが、これじゃあいけませんよね。勿論、ミスの可能性もありますが、出典を明記するからには、その辺は慎重になってもらいたいところです。

勿論、将来について楽観してもらっても困りますが、正しいデータに基づいて議論はされて欲しいと思います。