母乳への圧力その2

随分前に書いたエントリの続き・・・なのだけど、その時考えていたような続きとはだいぶずれているかも。

north-poleさんのブログ、百丁森の一軒家からトラックバックを頂きました。
[http://northpole587.blog17.fc2.com/blog-entry-82.html:title=簡単なことを難しくしているのではないか]
ご自身が、以前勤務していた病院での、母乳栄養の状況を報告されている。すこし引用させていただきますと・・・

背景として、その病院は助産師の割合も高く、基本的に母乳哺育を推奨しており、何らかの理由がなければ、入院中にミルクを足すことはしていなかった。したがって、退院時の完全母乳率は100%近いものだった。

 1ヶ月健診時には、母乳のみという人が50%強、混合だが母乳が中心という人が40%強、人工栄養のみの人は5%前後であった。そして、退院時からの体重増加は、母乳のみ・人工栄養が同程度、混合栄養の群がいちばん少なかった。

このデータは前回も引用した『平成17年度乳幼児栄養調査結果の概要』にある、栄養方法と子供の出生状況とほぼ一致していることがわかる。

このデータは母乳栄養を推進している病院ばかり集めたものではない。
ところで、母乳育児を特に推進している病院として、「赤ちゃんにやさしい病院」というものがある。
この病院はBFH(Baby Friendly Hospital)」とも呼ばれ、WHOが掲げる「母乳育児成功のための10カ条」を実践している産科施設に認定される。
詳しいことは書かないが、かなり厳しい認定基準をクリアしないと認定されないものだ。
この認定を受けた施設は謂うまでもなく、母乳育児支援に積極的に取り組んでいるのだが、先程引用したデータと比べてどれくらい完全母乳率が異なるのか気になるところだ。
『母乳育児推進に向けた取組』という資料によるとBFH認定施設の母乳栄養率は開業産婦人科で退院時90-98%、1カ月健診時は85-95%であり、病院施設で退院時85-90%、1カ月検診時は70-80%だとされ、出発点は同じぐらいだが、施設の関わり方で母乳継続に大きな影響を与えることが示唆される。


今回はあまり考察しないが、施設の関わりによって母親の負担や不安が軽減され、無理なく完全母乳育児が実施できているのかそれとも別な理由によるものか気になるところではある。
それも気になるのだが、低出生体重児及び、体重が少なめな子に現れやすい低血糖症状も無視できない問題であると思う。乳児の低血糖は脳に障害を与えるのではないかという指摘が存在する。母乳育児に拘る余り、乳児に必要な栄養摂取が疎かになるという懸念があるのだ。
母乳栄養を推進する病院では、低血糖症状が現れたとき、人工栄養を行わず、砂糖水しか与えないという事例を聞いたことがある。
自分の立ち位置に拘泥するあまり、本来求められる赤ちゃんへの優しさが疎かになっては居ないだろうか?素人の的外れな心配であれば良いのだが・・・
中途半端ですがこのへんで。