にゅうすにおもうこと

 殺人事件、交通事故死、被災死などが報道される時におもうことがある。報道内容には、インタビューとかで「あんないい人が・・・」とか「近所の方にあいさつを必ずする礼儀正しい人でした」など、被害者の死を惜しむ描写が挿入されることが多い。
 死者を悼む事自体は理解できるし、社会の損失を惜しむのであれば分からなくもない、でも近所の人へのインタビューには大きな違和感を抱いてしまう。何の関係の無い人にまで伝える必要の有ることなのだろうか。徒に犯行の凶悪性を際だたせているだけのような気がする。
 取り立てて褒めるところもないような平凡な人を殺すよりも、周りから信頼されるような人が殺された場合の罪は重いのだろうか。
 小さな子供が殺された場合、犯人憎しで何が何でも捕まえてもらいたい。過熱した世論から生まれた危うい情熱が警察の操作になんらかの影響を与える事は想像に難くない。
 不適切な情熱が暴走すれば冤罪だって起こってしまいそうだ。

 野次馬だって影響力を持つし、彼らの意見は時には暴力となる。力に方向性を持たせる能力を有するものはもう少し慎重になってもらいたい。