静岡県のマクロビ講演会について幾つか

愛読している食品安全情報blogでマクロビの話題が取り上げられていた。(ご紹介ありがとう御座います)→おまけ

言及されている静岡県が実施したマクロビ講習会についてどらねこも資料は集めたものの、講演内容はいつものトンデモ主張で目新しいところは無いため、放置したままになっていたことを思いだした。折角なので、ちょこっと書いてみます。

■マクロビ講演会に言及しているブログ
この講演会について言及しているページが他にも2つ見つかりましたので紹介します。

【農家のあとつぎの独り言】
マクロビオティックというニセ科学。

しかし、好みの問題と、ニセ科学で好みを正当化することを、「行政が支援する」のはまずいのではないかと思います。
#上記講演会では、静岡県理事の土居弘幸氏が無邪気に久司氏の講演を絶賛されていますが、少なくとも「科学的根拠」や「疫学研究」に基づいていると認識していることは、非常にまずいと思います。

土井弘幸氏の役職を考えると、筆者の懸念は至極尤もなものと謂えます。土井氏は岡山大学の先生でこのように外部に於いても責任ある立場で審査、審議等に加わっていらっしゃるからです。

【Beauty Science, Beauty Marketing.】
マクロビオティックの大家・久司道夫氏の著作への疑問、夫人の癌死に関する記述について。

こちらは、講演を担当した久司氏の著書に言及した記事ですが、久司氏の人物像をかいま見ることが出来ると思います。自治体が主催する講演に相応しいとはどらねこには思えません。

静岡県の事業とマクロビ団体
この講演会の位置づけはどのようなものだったのでしょうか、どらねこなりに調べてみましたよ。
2005年当時、静岡県ではこの講演会についてメルマガでこのように紹介しておりました。

このメルマガはどのような性格かというと・・・
いきいき生活応援便とは
静岡県健康福祉部が発行するメールマガジンで、健康福祉に関心のある方や県内の民生委員・児童委員や保健委員の方など、県の健康福祉行政に携わっている方など、部が関係しているイベントや記念週間などの情報を発信します。

もう少し調べてみると、ファルマバレープロジェクトという県の産学官連携事業らしきものと関連しているらしいことがわかりました。

ファルマバレープロジェクト
富士山麓地域を中心に、医療からウエルネスまで世界レベルの研究開発を図り、県民の健康増進と健康関連産業の振興を図る事業について紹介しています。

【基本理念】プロジェクトの理念・目的は「世界一の健康長寿県の形成」

その関係資料として、マクロビ講演会も掲載されています。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/pharma/pvc-kankeisiryou-pe-ji.htm

今後の計画にマクロビの名は記されていないのですが、安心できません。どらねこは2010年2月の静岡新聞の記事にいや〜な感じのものを見つけ、ブックマークをしておりました。

はてなブックマーク地域ニュース・東部:広域連携で地域活性化 維新塾、三島で初勉強会

東部の商工会議所と商工会の青年部、青年会議所計9団体が参加する「東部青年維新塾」(議長・前田磨三島商議所青年部副会長)は18日夜、三島市生涯学習センターで初の合同勉強会を開いた。約80人が参加し、講演やワークショップを通じて広域連携による東部の活性化を考えた。  従来から商工会議所と商工会の青年部で続けてきた勉強会に、青年会議所が加わって改称した。  講演はファルマバレーセンターの稲葉清企画部長とフルリールマクロビオティックアカデミー(沼津市)の香山雅子校長が、県のファルマバレープロジェクトの戦略や地元...

残念ながら、元記事にアクセスすると既に消去されており、魚拓もとっていなかったため、見ることは出来ない。
しかしながら、ブックマーク画面に残った文字だけでも、県のプロジェクトとマクロビ団体に今でも繋がりがある事が伺えますね。

静岡県職員に期待したいこと
食物さえ正せば、どんな病気でも治ると主張するマクロビオティック静岡県の職員はなんの疑問も持たなかったのでしょうか?これは憶測ですが、個々の職員レベルでは疑問を持った方はいらっしゃったことでしょう。しかし、意見を差し挟める雰囲気では既に無かったのだと思います。産・学・官などのプロジェクトは一度動き出したら止めることは困難であるのはよくわかりますから・・・
でも、日本国憲法第15条にはこうあります。

2 すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。

マクロビオティックという食事療法モドキが国民全体に利益をもたらすものでは無い事は講演内容から明らかです。
静岡県職員の方は今一度考えて欲しいと思います。