伊藤先生って何者?

(この記事はどらねこ日誌2009年5月2日掲載分に加筆・修正したものです)


■おかしな感染症対策
一部ホメオパシーサイトやブログ等で新型インフルエンザへの対応法が掲載されておりました。その内容は誤解を招きかねないもので、流行を助長さえする可能性があると考えられます。これについてはkikulog http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1240968090に情報がまとまっております。

ホメオパシーがそうであれば、マクロビオティック界隈でも便乗エントリーが挙がっているのでは?
そう考えたどらねこは、『マクロビ』『インフルエンザ』のキーワードで検索をしてみました。そこで引っ掛かったのがこちらの記事です。

楽しいマクロビオティック生活(玄米菜食・レシピ)より
ttp://macrobiotic.at.webry.info/200904/article_3.html

豚インフルエンザ レベル4
とうとう来ましたね。

http://news.biglobe.ne.jp/international/001/ym_090428_0012280668.html
レベル4ですから、国家封鎖してもおかしくないほど要注意な出来事です。
国家封鎖されたら、食糧が入らなくなります。
過去記事ご参照の上、ご注意下さい。
これから、我が家もいつもおなかをすかせられるような少食モードに入ろうかと思います。インフルエンザに感染しないからださえあれば、どこにいっても大丈夫だし、病気の人を指導することもできるそうです。
(伊藤先生はこう断言されておられました。)
ウィルスに勝つには、かなりの「少食」と「培養するものを体内に取り込まない」だそうです。

ttp://macrobiotic.at.webry.info/200809/article_24.html
別件で、今7号食*1に近い食事をしています。
玄米を7〜8割食べ、味噌汁と少々のおかずという食生活です。
豚インフルに限らず、あらゆる意味でおすすめしたい食事法です。

ウイルスなどの病原性のある微生物に対抗する免疫細胞をつくりだすために十分な食事は不可欠ですが、低栄養ギリギリの体力の落ちた感染予備軍みたいな人が、精力的に危険地域でお仕事をなさるというのはかなりリスキーな行動だと思います。また、ウイルスは生きた細胞の中でないと増殖をしないものですが、培養できる食べ物というのはよくわかりません。生きた動物を丸呑みするのでしょうか・・・。
ところで、伊藤先生っていったいどんな方なのでしょう?


■伊藤先生ってどんな人だろう?
伊藤先生とはいったいどのような方なのでしょうか。今度は『伊藤先生』『マクロビ』をキーワードに検索をしてみました。

「Vida講演会食といのち」より*2

「その人に起こる目に見えるところの出来事は全て、想い(波)のあり方と生命力の両者の物質的現れ・現象に過ぎない。正しい想いを持ち(脳幹の活性化)、正しい食事法を行い、生命力を高める生活が大切! 伊藤慶二」
伊藤慶二先生プロフィール
昭和4年生まれ。九州大学医学部卒。医学博士。マクロビオティック医学研究会初代会長。医療法人二至誠会 梅田病院院長、勝間クリニック院長を歴任され、産婦人科医師として、全国に先駆けて昭和41年から母親教室を開き、食生活の大切さを説いてこられました。
現在、山梨県大自然の中で執筆活動、また全国各地での講演等にご活躍中。

お会いできた講演会で印象に残った内容のほんの一部ですが、紹介したいと思います。

「...奇形の子どもが生まれることが分かった。みつくちやロ蓋裂、上顎が割れた子、心臓の真中に穴が開く中隔欠損という子どもがわりと多かったのです。そして、その原因はお砂糖でした。どうして砂糖が多いと奇形ができるのだろう?それは砂糖は陰性が強い食品だからです。陰性のものは拡散力があり、くっつかない性質を持つのです。だから、例えば流産だとか、子宮のロが弛んでくるわけです。だったらお砂糖を止めれば治るはずじゃないかと、やってみたら本当に治っちゃったんです。(中略)
...それが分かったので、私は診察も治療も何もしない。お砂糖はなるべく控え、あとは仏さん拝むしかない。仏さんをちゃんと拝んで、適当に運動して、しゃがんでする仕事だけはやめてくれと言ったら、無事に女の子を産んだ。こんなことは医学部では教えないことですから。医学部では、糖尿病のときにカロリー制限するぐらいで、食べ物の重要性なんて何も教えないで、ものの一面しか教えません...」

いえいえ、それは医学部で教えられたら困る内容ですね。陰性のものは拡散力があるというのはマクロビオティックの理論に過ぎません。どのような物でも食べ方を間違えれば健康を損なうおそれがありますが、砂糖についても同じ事です。→参考http://d.hatena.ne.jp/doramao/20120608/1339122588

伊藤先生については、別の方のブログでも紹介されておりましたのでこちらも引用してみます。


食と健康より
ttp://syokutokenkou.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_8769.html
伊藤慶二先生の癌の治し方は丸山ワクチンを越えられるか?

薬を使わない小児科医の真弓定夫先生と親交の深い、医学博士の伊藤慶二先生から教わった癌の治し方のポイント3つを紹介いたします。
おっと真弓大先生登場です。お友達だったのですねぇ、産婦人科出身の伊藤先生から小児科の真弓先生への連携がしっかり出来ているのですね。これは頼もしい限りです。
1.癌は熱に弱いので、体温を一分でも二分でも上げること。体温が下がると、癌は大きくなります。湯たんぽなども使って、体温が下がるのを防ぐ事が大事です。(電気毛布などは電磁波被爆の影響で免疫力が下がります。)体が動くようであれば、運動量を増やして体温を上げてやります。波動の悪い(低い)物も摂らない様にします。
2.進行癌を止めるには、1〜3ヶ月、タンパク質の量を1日20〜30グラムに抑えるといいと思います。症状が一段、改善されたらタンパク質を3〜4ヶ月、50グラムを超えないようにします。(動物性でも植物性でも同じタンパク質と考える)
3.半断食に近い食生活。これは、癌に限りません。上手に半断食を組み込んで、神の御心のままに、自然に生きる事です。例えば、胃がんになった人がむかついて食べられないというのは、それは神様が食うなと教えておられるんだと解釈しましょう。半断食で、体が参る方が先か、癌が降参する方が先かというと、癌の方が必ず負けます。


全身を温めるのだそうですが、ハイパーサーミアなど通常の温熱療法とは違うようですね。粗末な食事と高体温で癌より先に参ってしまいそうです。

最後にもう一つ紹介しましょう、伊藤先生の治療の様子がうかがえます。

なんちゃってマクロビオティックより
ttp://hihumi.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_99f9.html
伊藤慶二氏の講演録
マクロビオティックマガジン「むすび」2月号に掲載されていたのだが、非常に示唆に富んでいるので紹介したい。

タイトルは「確実に病気をしない生活の仕方」・・・タイトルからしてちょっとヘン?確実にということは、100%病気をしないという意味だそうです。伊藤先生は50年以上、医療に携わっていて医者に成りたての頃、産婦人科をやっている時、奇形児(その頃は1%くらい)を産んだお母さんの食べ物に問題があることに気づき、それ以来正食に関心を持つようになったそうです。

その後、7回流産・早産で失敗した方が甘いもの漬けの方の食事を改善して、無事8回目で初出産に成功して、いっそう確信を得たことのなかで、

○体は常に正しく働く・・・自然から逸脱しない、できるだけ自然に沿った生活をしていたら、人の体は常に正しく働く、病気は偶然になるということは絶対にない。必ずなるべくしてなっている。場合によっては、その人に必要があってなっている。病気になる過程で、原因として圧倒的に多いのは食べ物と思いの世界〜ガンのような命にかかわる病気は思いの世界も対応していないと、食べ物だけでは治らない場合が多い。

生命力が高まり、体の細胞がイキイキしてくると、人の体はますます早く正しく働く〜そうすると病気やガンはスッと消える。また、人の体は常に正しく働くという「信念」をどれほど強く確信しているかによって、その人の病気の治し方の選択が全く変わる〜そうかも知れないなー程度の信念だと、やっぱり薬をもらおう、医者にかかろうかということになる。〜確実に治ると確信を持っている人は、そんなことはしない。
○生命力を高める4つの方法・・・①思いの世界 ②食べ物 ③生活の仕方 ④気功やヒーリング・浄霊など外からエネルギーをもらう方法
大事なのは食べ物と思い、あとのふたつは補助的なもの。まず、思いの世界は、その人が何を考えるかによって、脳の働く場所が変わり、それによって生命力が高まりもし落ちもする〜欲と知識で肥大化した新皮質から、生命情報のある脳幹へと脳の働く場所が変わるような瞑想、あるいは神仏の正しい拝み方をすれば、脳幹の働きで体がイキイキしてくるし、スピリチュアルな能力も高まってくる。


①思いの世界(バイオフィードバック?)②食事療法(マクロビ)、③生活の仕方(昔ながらの生活)④外的エネルギーによる健康回復(信仰療法等)
すべて代替医療と呼ばれるものばかりで目眩がして参りました。
伊藤先生の講演を聴いた方々が、誤った理解を持ってしまい、ワクチン接種を拒否したり、罹患した状態で人混みに出かける事の無いよう願うばかりです。
こうした伊藤先生のお話は、最近になってもるいネットhttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=267303&g=122107などで採り上げられたりしており、病気に苦しんでいる方々が記事を読み広まってしまう事が心配されます。
砂糖を食べると病気になる、牛乳は身体に良くない食べものだ、というような特定の食べものを悪者にするような言説にであったら、他の説明も疑った方がよいようにどらねこは思います。


※参考にした資料
代替医療ガイドブック Barrie R. Cassileth 著 浅田仁子 長谷川淳史 訳 春秋社

*1:どらねこ注※マクロビオティックの10段階食の最高峰(?)玄米のみと番茶などの飲み物少々という何だかなぁという食事

*2:リンク先URL削除され現在閲覧できません