今日のひとりごと

例えば、薬局勤務の薬剤師さんがいらっしゃったとして、食生活や栄養状態に不安を持つ、お客さんに相談を受けた場合、どのようなアドバイスを返すとよいのだろうか。
はじめから代替療法を指向しているのならともかく、普通は現状を改善するためには何が求められるのか、という一般論だろう。
例えば、薬剤師の資格を私が持っていたとして、こんな話を聞いたら・・・

【架空の事例】
健康食品販売店ではお客さんの健康相談にのっております。ここでは、市販薬にかわる体に良い成分を含む、健康食品やお手当法を処方します。お客様には具体的には○○療法という名前を出しませんが、部分的に優れているところを採り入れ、それをアドバイスするようにします。お客さんが飲む薬の量を聞いて、これは減らした方がよいなぁ、と感じたらお医者さんに減らして欲しい旨を話すようにアドバイスしています。


処方された薬の意味をこの健康食品販売者が正確に理解しているでしょうか?健康食品やお手当法に部分的に優れているところが果たしてあるのでしょうか?検証されていないものを、優れていると謂えるのでしょうか。
はっきり謂って、こんな話を聞いたらやめてくれー、処方薬の意味と正しい飲み方を守ってクレーとなるだろう。処方薬でなくとも、市販薬の中から症状に照らし合わせて適切と考えられるモノを飲み合わせなどを勘案しながら勧めたりするだろう。

私は一応、管理栄養士であり、大学院などでそれなりに栄養学、生化学を修めたものです。その目でマクロビオティックを見ると、提唱者の主張するような効果は研究などで実証されたようなモノで無いばかりか、総合的に考えれば、健康被害を起こしかねないものであると考えます。マクロビオティックに理論的に予測がつく部分的に有用な主張があったとしても、食事摂取基準に基づく栄養摂取や、病態栄養学の理論に基づいた食事法に勝るとは考えられません。マクロビの考えを用いる必要はないのです。
マクロビに優れている点があれば、標準的な食事療法に採り入れられる事でしょう。
国家資格に担保された専門職が期待されるのは、そのカリキュラムに含まれる分野に基づく知識であるはずです。それから逸脱するのであれば、職とは関係の無い一個人の意見として語られて欲しいと思います。
私は、マクロビオティックの考えは、部分的にも現代栄養学に優れたものは無いと考えます。