包丁と切り方話


粗筋
前回『包丁使い』という個人的メモと言い訳したエントリを挙げた不良ネコであったが、そこにライバル(?)である黒猫亭氏のコメントが付く。その内容は本エントリを遙かに凌ぐ素晴らしい物であった。努力が嫌いなくせに負けず嫌いであるどらねこは大変悔しい思いをする。雪辱に燃えた彼は俺の実力はこんな物ではない!!と実力以上に自分を立派に見せるべく、新たなエントリを挙げる事を誓ったのだった。

意味不明の前置スミマセン、本題に入ります。ちょっと要望ありそうなのでちゃんとしたエントリにしたら、ブクマも付いてうっししみたいな意図で書いた物だったりする。
どらねこが日常調理で気をつけている食材のきり方などについて解説したいと思います。どらねこは反日洋食出身なので、家では刃渡り30cmくらいの牛刀と、10cmくらいのぺティナイフを使用してます。どちらもステンレス製品です。他、柳刃と出刃を持っておりますが、ほとんど使うことないです。野菜を切るときには和包丁の菜切り包丁が欲しいかなと思うぐらいですね。菜切り包丁は刃の厚さが根元から先端まで比較的同じ厚さなので、かつら剥きや刺身のツマなどを均一に切ることができるからね。
では、大事な点をまとめていきますね。
1.大きさを揃えること
前回も触れましたが、コレはほんとに大事です。どらねこは学生に調理を教えていたこともあるのですが*1
レシピ通りに作ったのに美味しくできないよ〜♪*2
と訴える輩が居たりする。原因を探るため、手順通りか、計量は大丈夫か、加熱時間は・・・と探るがなかなか掴めない。で、完成したものを見ると野菜の切り方がすごく乱雑だったりする。あ、コレだ原因は。
食べ物って本当にテクスチャーが大事なの。例えばコンニャクを想像してくれ。コンニャクを煮付けたもの、煮付けたコンニャクを冷凍し、それを解答したものを食べ比べてみる。さて、結果はどうだ、同じ成分の筈なのに一度凍らせたものは不味くて喰えたものじゃない(好きな人いたらごめんなさい)。それだけ食感というのは味に影響をするものなのね。
テクスチャーもそうなのだけど、火の入り方にも関わってくる。同じ乱切りでも、大きさに倍以上(一辺の)のばらつきがあれば、大きいものに中まで十分な加熱がされるまで、3〜4倍くらいの時間がかかってしまうことは当たり前のようにある。小さいものはとろけて、大きいものはかっちかちの料理なんて食べたくないものね。
あ、見た目が揃っている事も大事だね。料理は視覚的要素も大きいから。
2.つぶさない
食材はよく切れる包丁で切るべし。一般にそのように云われるのは食材を潰さないことが関係している。
野菜もお肉も細胞から出来ていて、切るという作業はこの細胞を切断することを意味している。この時壊れてしまう細胞を最小限に留めたい。切れない包丁だと、無理矢理切る事になり、包丁が当たったところ以外にも圧力がかかり、その力で余計な細胞まで押しつぶされてしまう。勿論切断面もギザギザで、栄養分や旨みも外に流れ出してしまうことになる。
生野菜は生きているので、細胞がつぶれれば、その中に含まれていた酵素が外に飛び出し、反応を起こして変色したり味を損なったりしてしまう。単に食感が悪くなるだけではすまないので注意したい。
大根おろしやわさびは酵素を働かせることにより、辛みを引き出す事を目的としており、ケースバイケースではある。
3.調理法に合わせる
生野菜サラダで乱切り、煮物なのにみじん切り・・・ちょっと極端な例だけど、まあそういうこと。
炒め物野菜を短冊切りにする場合でも、加熱時間を考えて厚さを調節したいところだ。そのような気配りが料理の腕をワンランク上げるものだと考えている。

次回は(あるのか?)その為にはどんな包丁使いの工夫があるのかを書いてみるかも知れないので、時間があったら見て頂戴。

*1:コイツ色んなことやりすぎじゃね?本当の専門は何だ、と思った方。自分でもそう思っているぐらいなので勘弁してね

*2:なぜか楽しそうに訴える。だからなかなか上達しないのだと思うがそれは謂わない